傘を買わなければ

昨夜はレイトショーで映画を観てきました。

高校の時に読んだ本が映画になって、ずっと気になっていたやつ。

バイトの4連休の初日。ESを書いて、レポートを学校に提出に行き、夜が更けないうちに帰ることがどうしてもできなかった。一人で汐入に向かった。


映画は、好青年として生きてきた航空会社の男が、婚約者を残して３ヶ月間バンコクへ仕事を成し遂げに行き、そこで官能的な女に出会う、という不倫の話。


―人は死ぬときに愛されたことを思い出す人と、愛したことを思い出す人に分かれる。

―愛なんて季節のようなもの。やってきて人生を彩っては、すぐに去っていく。

―幸福を信じてはいけない。傘を買わなければいけません。


恋愛の極論が詰まっていて、高校生ながらに恋愛に失望したことを覚えていた。

またぐるぐる考える。




今日は夜から出かけた。

行きつけのカフェが夜、閉店した後常連さんだけを集めてピアノのサロンをするというのにお呼ばれした。

ハイヒールを履いて、チョコレートを携えて訪ねた。10人ほどの小さなサロン。

３Bやショパンやシューマン。

すごく素敵だった。

しまいには、プロの方の前でわたしまでピアノを弾かされてしまった。

バレンタイン前にショパンの『告別』なんて弾いてごめんなさい。

それでも、またピアノを習いに行くきっかけを作れた。


いい恋愛をしなさい、若いんだから。

オーナーのお母様に言われた。

おととしからずっと私をみている人だ。

失恋も大恋愛も、あなたのこときっともっといい女性にするから、と。

もう70を過ぎた未亡人の言葉は、なんの疑いもなく頭に入ってくる。

普段コーヒーばかりのむママさんは、今日ばかりはすこし饒舌だった。


恋愛について思考をめぐらせた2日間だった。

考えすぎて、他の人から「最近変じゃない？」と言われた。

確かに変だ。




シャンパンと赤ワインのおかげでちっとも寒くない。

明日は友達の演奏会を聴きに上野に行く。


テレキャスター弾きたい。



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